Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」の入門モデルにあたる「無印Kindle」と上位機にあたる「Kindle Paperwhite」では、どちらがオススメなのでしょうか?。
「『無印Kindle』『Kindle Paperwhite』の比較レビュー」と題して、「サイズ、重さ」「操作性」「端末価格」「解像度(文字の見やすさ)」「ストレージ容量」「ダウンロードスピード」などの項目に分けて、あらゆる角度から2つの端末を徹底比較してみました。
ぜひ購入の参考になればと思います。
(2021年6月21日更新)
- Kindleとは?
- 比較1 外観(サイズ、重さ、携帯性、デザイン)
- 比較2 ページめくりの快適性(反応の速さ)
- 比較3 文字の見やすさ(画質、解像度)
- 比較4 防水機能の有無
- 比較5 ダウンロード時間比較調査
- 比較6 バッテリー容量(電池の持ち)比較調査
- 比較7 ストレージ容量(何冊保存できる?)
- 比較8 フロントライト(内蔵ライト)機能
- 比較9 端末価格
- 比較10 保証制度
- 比較11 ユーザーの評価
- まとめ 「無印Kindle」と「Paperwhite」どちらがオススメ?
Kindleとは?
KindleとはAmazonの電子書籍サービスのことです。Amazonで購入した本(Kindle本)は、電子書籍専用端末である「Kindle(Paperwhite、Oasis)」もしくは「Kindleアプリ(パソコン、スマホ、タブレット)」で読むことが出来ます。
電子書籍リーダー「Kindle」の魅力って何?
Kindle端末の良い所って何でしょうか?魅力はたくさんありますが、主な魅力を5つ紹介します。
コンパクトで軽い
コンパクトかつ軽いので持ち運びに便利です。通勤や通学でも気軽に読書が楽しめます。
読書に集中できる
スマホやタブレットで読んでいるとメールやらLINEやら色んな通知が来て、なかなか読書に集中できない時があります。Kindleは読書専用端末なので通知などによる邪魔が入りません。
辞書機能でスイスイ読み進められる
辞書機能搭載で、分からない単語はすぐに調べることが出来ます
つまり、スマホで調べるために、途中で止まってしまうことはありません。
たくさんの本が保存できる
本好きの方の中には「部屋が本で埋まって困ってる方」もいると思います。
Kindleは1つの端末に数百冊(場合によって数千冊以上)保存できるので、部屋の整理整頓に適しています。特にミニマリストにオススメのアイテムです。
屋外でも反射しない
Kindleは公園など屋外での読書にも適しています。スマホやタブレットような画面の反射がありません。Kindleのように内蔵ライトがない状態でもストレスなく快適に読めます。比較1 外観(サイズ、重さ、携帯性、デザイン)
どちらも6インチで文庫本並みにコンパクトな大きさ
ディスプレイサイズは無印KindleもPaperwhiteも共に6インチ。
縦の長さは僅かにPaperwhiteの方が長いものの、全体的な大きさは変わりません。
どちらも文庫本とほぼ同じコンパクトな作りなので、持ち運びの面では文句の付けようがないくらい優秀です。
また、スマホのように画面が縦長ではないので余分な余白が出来ないですし、読書に適した縦横比で作られています。
持ちやすいのはどれ?
持ちやすいのは「Paperwhite」です。
背面がマットな素材で滑りにくいように作られていますし、手に馴染むデザインなので、持った時にフィット感があります。
無印Kindleの場合、持った時にフィット感はPaperwhiteに負けていませんが、裏面がプラスチックなので滑りやすいです。
軽さは「無印Kindle」に軍配(iPhoneXRより軽い170g)
重さで軍配が上がったのは「無印Kindle」。
Paperwhiteより17g軽い、約170gです。
持った瞬間に「軽い!」と思わず口に出てしまうほどの軽さ。
人気スマートフォンの「iPhone 11(約194g)」や「Xperia 1(約178g)」より軽いのだから、それもそのはず。
持ち運びで苦労することもありません。
「無印Kindle」には及ばないものの、Paperwhiteも約186gと、スマートフォンに引けを取らない軽さを誇ります。
KindleとPaperwhiteのボタン位置はマイナス点
「Kindle」「Paperwhite」の電源ボタンは下部にあります。「Oasis」のように、出来れば上か横に付けてほしかったです。
2つの端末は、Oasisのようにグリップ部がないので片手で読む場合は小指を端末の下にかけないと安定しません。ただ、そうなると構造上どうしても小指がボタンに当たってしまう事がたまにあります。
また、立てかけて読む場合にもボタンが下にあるため(画面回転にも対応していない)、勝手に押される可能性があります。次世代は上にボタンが来ますように。
比較2 ページめくりの快適性(反応の速さ)
Kindleはこのように画面をタップしながらページをめくります。
また、気になる言葉や文章をタップして、意味を調べたり、チェックを付ける事が出来ます(ハイライト機能)。
ページめくりの反応レベルはどちらも同じですが、言葉や文章にチェックを付けるハイライト機能などのレスポンス速度は、「無印Kindle」の方が若干速いと感じます。
反応スピードに関してどちらの端末も7割の人は満足してもらえると思います。では残りの3割はどうなのか?こんな点に不満を感じるんじゃないでしょうか。
・反応スピードがスマホやタブレットより若干スムーズじゃない
・画面のどこをタップしたら前のページに戻るのか分かりにくい
ページめくりはスマホと同じくらい快適ですが、ハイライト機能などを利用する際のレスポンス速度はスマホより遅いです。
ほとんどの方は慣れれば違和感なく使えるクオリティですが、タップ反応のスピードにこだわる方は不満を感じるかもしれません。
比較3 文字の見やすさ(画質、解像度)
解像度はKindleが167ppi、Paperwhiteが300ppiです。
例えば「iPhone8」は326ppiなので、「Kindle Paperwhite」はそれに近い解像度です。
ppiとは
1インチあたりのピクセル数を表す(画素密度)。pixels per inchの略。値が大きいほど、より高精細な画質となる。
「無印Kindle」に比べてクッキリ見やすい「Kindle Paperwhite」
見やすさは断然「Paperwhite」が上です。
「Kindle Paperwhite」の方がストレスなく鮮明にハッキリと見えます。文字が滑らかで、細かな文章もスムーズに読めます。
無印KindleはPaperwhiteに比べると、文字が若干つぶれていて、シャープさに欠けます。
ただ、鮮明度は十分合格点に達しているので、読みにくいという事はありません。
実際に無印Kindleで読んでいて、特に解像度が気になることもないです。
「出来るだけ綺麗な文字で読みたい方」は、Paperwhiteをオススメします。
漫画の比較
マンガの場合はどの程度、違って見えるのでしょうか?
比較してみましょう。
【左:Kindle 右:Paperwhite】
クッキリ度は一目瞭然。
無印KindleはPaperwhiteに比べると、若干文字がぼやけ気味です。
吹き出し部の文字サイズは変えられないので、細かな字が読みにくい無印Kindleでは結構ストレスを感じます。
Kindle端末で漫画を読みたい方は「Paperwhite」を選択すべきです。
Kindle
⇒電子書籍リーダー「Kindle」商品ページ(Amazon)
Kindle Paperhwhite
⇒「Kindle Paperwhite」商品ページ(Amazon)
Kindle Oasis
比較4 防水機能の有無
「Kindle Paperwhite」には防水機能が付いているので、お風呂で読書を楽しみたい方にはオススメの端末です。
一方、「無印Kindle」は非搭載です。
Paperwhiteの防水等級(レベル)は「IPX8」。
Amazon公式サイトには、「深さ2mの真水に60分沈めても有害な影響がないことが確認されています」と記述があります。
「防水機能付いてるって言っても本当に使えるか信じられない」と疑ってる方も多いと思います。実際に防水機能の実力を検証してみたので、こちらの記事も参考にしてもらえればと思います。
注意 濡れた後の扱い方
Amazon公式サイトにも記載されていますが、防水機能が付いていても、水に濡れた場合は必ず布やタオルで端末を拭いて乾かしましょう。また、完全に乾き切るまでは充電も控えてください。
比較5 ダウンロード時間比較調査
Kindleで本を読むには本をダウンロードする必要があります。ではダウンロードにどのくらいの時間を要するのでしょうか?
WiFi環境の中でダウンロード時間を計測してみました。結果は以下の通りです。
ダウンロード時間は互角
ダウンロード時間に関しては、「無印Kindle」と「Kindle Paperwhite」の間に差はありません。
タイトルによって微妙に差はありますが、ほとんど変わらないタイムです。
「無印Kindle」も「Kindle Paperwhite」も一般書籍は10秒前後、マンガは30秒~40秒程度でダウンロードが完了します。
ただし、Wi-Fi環境によっては、これ以上にダウンロード時間がかかる場合がありますので、ご注意ください。
比較6 バッテリー容量(電池の持ち)比較調査
1度の充電で十分に長持ちする点もKindle端末の特徴です。
Amazonの公式HPではバッテリーの持ちが数週間続くとありますが、実際はどうなのでしょうか?
実際に使って検証してみました。
条件設定
条件はAmazon公式HPと同じ設定とします。
・明るさレベルは10とする
・ワイヤレス接続をオフにする
・1日30分読む
実験結果
バッテリー 持続日数 |
|
---|---|
無印Kindle | 30日間 |
Kindle Paperwhite | 24日間 |
無印Kindleなら1カ月近く電池が持つ
無印Kindleが驚きの30日間で、Paperwhiteよりも6日間も長く持ちました。
なんと1カ月近くも持続したことになります。
Paperwhiteも無印Kindleには及ばなかったものの、24日間と3週間以上も電池が持ちました。
実験結果からも分かる通り、スマートフォンのように、数日に1度や毎日充電する必要はありません。
この点は電子書籍リーダーのストロングポイントだと高く評価出来ます。
比較7 ストレージ容量(何冊保存できる?)
端末によって選べるストレージ容量は異なります。
Kindle:8GB
Kindle Paperwhite:8GB / 32GB
では保存できる容量はGB数でどの程度変わるのでしょうか?本のジャンルごとに同じ本を集めた場合の数を計算してみました。
例えば32GBモデルは実際に保存できる容量が「27GB」であるように、実際の保存領域は商品に表示されているストレージ容量より少ないです。
今回は実際の保存領域を基に計算しています。
条件
・ジャンル(一般書籍、小説、漫画)ごとに同じファイルサイズの本を集めることを想定
・実際の保存可能容量を基に計算
(8GBモデル:6GB、32GBモデル:27GB)
「漫画好き」や「本をたくさん読みたい方」はPaperwhiteがオススメ
2020年5月に「無印Kindle」は8GBに容量がアップしました!
無印Kindleでも一般書籍なら、約600冊程度の本が保存出来ます。
本を月2、3冊読むくらいのライトユーザーなら無印Kindleで十分でしょう。
ただ、ファイルサイズの大きい漫画の場合、保存出来るのは100冊程度です。
一方で「Kindle Paperwhite 32GB」は、「無印Kindle 8GB」の4倍もの保存容量があります。
漫画も約450冊程度保存可能。
スマホのように、容量が気になることはありません。
「マンガ目的でKindle端末を使用する方」や「クラウドから小まめに入れ替えするのが面倒な方」は、32GBモデルがベストな選択といえます。
比較8 フロントライト(内蔵ライト)機能
フロントライト方式の内蔵ライトが「無印Kindle」「Kindle Paperwhite」どちらの端末にも搭載されています。
これまで無印Kindleは内蔵ライトが付いていませんでしたが、2019年に発売された新モデルで初めて搭載されました。
暗い場所や逆光の状態でもストレスなく、快適に読むことが出来ます。
Kindle端末はフロントライト方式を採用しているので、目への負担も少なく、健康面でも安心です。
ちなみに「バックライト」と「フロントライト」の違いは以下の通りです。
バックライト
液晶の背面にライトがあり、背後からスクリーンを照らす方式。見てる人の目に向かって直接光を照射することになり、目のダメージがフロントライトより大きい。
フロントライト
スクリーン下部(Kindleの場合)にライトがあり、画面の表面を通してディスプレイ全体を照らす方式。光を直接目に照らさないので、バックライトより目に優しい。
LEDライトの個数はPaperwhiteの方が多い
それぞれの端末でライト機能の内容が微妙に異なります。
無印Kindle | Paperwhite | |
---|---|---|
明るさの調節レベル | 24段階 | 24段階 |
LEDの数 | 4個 | 5個 |
どちらも明るさは24段階で調節が可能。細かな調節に対応しているので、どんな場所にいても読書が楽しめます。
LEDの数はPaperwhiteの方が1個多いですが、正直ほとんど違いを感じません。
ライト時の画面の色合いが異なる
「無印Kindle」と「Paperwhite」ではライトを付けた時の画面の色合いが異なります。
比較9 端末価格
次に端末価格の比較です。
広告つき | 広告なし | |
---|---|---|
Kindle 8GB | 8980円 | 1万980円 |
Paperwhite 8GB | 1万3980円 | 1万5980円 |
Paperwhite 32GB | 1万5980円 | 1万7980円 |
Paperwhite 32GB (WiFi+無料4G) |
ー | 2万2980円 |
広告の有無
Kindleのホーム画面などに表示される広告のこと。「広告つき」でも読書画面に広告が表示されることはない。
また「広告なし」は電源ボタンを押すだけで起動するが、「広告つき」は電源ボタンを押して画面が出たら、スワイプしてロックを解除する必要がある。
広告が見たくない場合は「広告なし」を選択しましょう。「広告なし」は「広告つき」より端末価格が2000円高い。
無印Kindleなら1万円以下で購入可能
「無印Kindle(広告つき)」はなんと1万円を切る8980円。
内蔵ライト付いて、一般書籍が数百冊保存できるし、コンパクトで持ち運びも便利。
辞書機能付いてるから、読書の途中で止まることもありません。
正直、コスパめちゃくちゃ良いです。
「Kindle Paperwhite」は無印Kindleより多少値は張るものの、「文字のクッキリ度」や「防水機能」「ストレージ容量」を考慮すれば、十分なコストパフォーマンスの高さだと言えます。
「自宅にネット環境のない方」は、「Kindle Paperwhite 32GB(WiFi+無料4G)」の購入をオススメします。
このモデルには「無料4G通信」が付いているので、自宅にネット環境(Wi-Fi)がなくても、Amazonで買ったKindle本をダウンロードして読むことが出来ます。
比較10 保証制度
Kindle端末は購入すると、1年間の限定保証が付いています。ただ、カバーしてくれるのは自然故障のみで、水漏れや落下による保証は付いていません。
「1年だと不安な方」や「保証の範囲を広くしたい方」は端末の購入と一緒に「延長保証」も付けましょう。
延長保証パックならAmazonが保証する1年目から自然故障だけでなく、「水漏れ」や「落下」による故障まで保証してくれます。
延長保証の加入は端末購入から30日以内に限られています。加入する方は端末と一緒に延長保証パックを購入することをオススメします。
延長保証パックの価格
延長保証パックの価格は以下の通りです。
2年間 | 3年間 | |
---|---|---|
Kindle | 1280円 | 1780円 |
Kindle Paperwhite | 1980円 | 2580円 |
比較11 ユーザーの評価
2020年10月現在、Amazonのカスタマーレビューではどの端末が一番高い評価を受けているのでしょうか?
カスタマーレビュー | |
---|---|
Kindle | 星4.1 |
Kindle Paperwhite | 星4.2 |
「Paperwhite」が星4.2で僅かに無印Kindleを上回る
「無印Kindle」も「Paperwhite」もほぼ互角。わずかに「Paperwhite」の方が星0.1分高かったです。
どちらもAmazon高評価の基準となる星4つ以上の評価を受けています。
ちなみに星4つ以上の評価を付けている人の割合は「無印Kindle」が80%、「Kindle Paperwhite」が82%と、わずかにPaperwhiteが上回る結果となりました。
まとめ 「無印Kindle」と「Paperwhite」どちらがオススメ?
全部で11の項目に分けて「無印kindle」と「kindle Paperwhite」の比較検証を行ってきました。
最後に結論をまとめたいと思います。
オススメは「Kindle Paperwhite」
筆者のオススメはズバリ「Kindle Paperwhite」です。
大きな決め手は「解像度」と「ストレージ容量」です。
文字が綺麗で読みやすいですし、特に漫画では無印Kindleとの差は歴然。
ストレージ容量も32GBまで対応している点は魅力的です。これさえチョイスしておけば、ほとんどの方は容量に困ることもありません。
防水機能まで付いて、この価格は驚きのコストパフォーマンスといっても過言ではありません。
読書好きの方オススメです。
ライトユーザーには「無印Kindle」がオススメ
無印Kindleもライトユーザーには十分オススメできるアイテムです。
何と言っても1万円を切る価格は魅力的。
フロントライトが付いていますし、操作性も悪くありません。
解像度はPaperwhiteに劣りますが、一般書籍や小説など文字のみの本を読む目的で購入する方にとっては、十分だといえます。慣れてしまえば違和感なく読めます。
これまで4GBだったストレージ容量も2020年5月に8GBに増量されました。
これだけのクオリティを持っているなら、入門モデルとしては十分に使えるアイテムです。