2019年7月に発売されたKindleの最上位モデルに当たる「Kindle Oasis」の使用レビューをお届け!
初搭載となる「色調調節ライト」以外に、旧モデルからどんな変化があったのでしょうか?また、他のKindle端末とはどう違うのでしょうか?
旧モデルや人気モデル「Kindle Paperwhite」との比較を交えながら、新型「Kindle Oasis」の実力を検証したいと思います。
(2021年6月21日更新)
- 【サイズ、デザイン】コンパクトさは保ちつつ、他のKindleより画面が大きい
- 文字の見やすさ比較(画質)
- マンガの比較(見やすさ)
- タブレット(「Fire HD 8」)と比較してみた
- 新機能「色調調節ライト」で、色合いを自由に調節できる
- 自分に合ったカスタマイズが可能(Kindle共通)
- ダウンロードスピードの実測調査
- 【調査】バッテリーの持続時間
- 【ストレージ容量比較】 32GBなら一般書籍が数千冊保存可能
- 「Kindle Oasis」の端末価格
- 基本スペックの比較
- カラーバリエーション
- 保証制度について
- ユーザーの評価
【サイズ、デザイン】コンパクトさは保ちつつ、他のKindleより画面が大きい
他のKindle端末より大きな7インチのディスプレイ
画面の大きさは7インチと、下位モデルにあたる「Kindle」と「Kindle Paperwhite」より1インチ大きなサイズに仕上がっています。
サイズが大きい分、1ページ当たりの文字量も多いので、ページめくりの回数も必然的に少なく済みます。
また漫画も圧倒的に「Oasis」の方が見やすいです。
バッグにすっぽりと入る持ち運びにも便利なアイテム
高さと幅は、159mm×141mm。
大体スマートフォン(6インチ)を横に2台並べたくらいの大きさですね。
B6サイズの本よりコンパクトです。
小さなバッグにもスッポリと入るので、持ち運ぶのが手間になる事はありません。
紙の本をたくさん持って行くよりかは、遥かに便利。
さすがにパンツのポケットには入らないので、手ぶらで持って行きたい人には向いてませんね。
コンパクトさを追求する、スマホや他のKindle端末の方が優秀です。
重さは187g(公式サイトは188gと記載)。
下の表を見ても分かる通り、最近のスマートフォンと同じような重量なので、片手で読んでる時も極端な重さは感じませんし、持ち運びで重荷に感じる事もありません。
重さ | |
---|---|
KindleOasis | 187g |
iPhone 12 | 162g |
iPhone 12Pro | 187g |
Xperia 1Ⅱ | 181g |
Kindle下位モデルより遥かにスムーズで快適な操作性
Oasisの最も優れている点といえば、ページめくりの操作性です。
「無印Kindle」や「Kindle Paperwhite」より遥かにスムーズなんですよね。
何故ならKindleシリーズの中で唯一「ページめくり物理ボタン」が用意されているから。
次のページへ進む時も、前のページ戻る時も、上下のボタンを押すだけでスイスイとめれます(スワイプでのページめくりも可能)。
一度この快適さを味わうと、他のKindleには戻れません。
また、背面が指が引っ掛かりやすいデザインに仕上がっているので、片手での読書もしやすく、通勤や通学で片手が離せない時にも便利。
旧型からの大きなデザイン変更はありません。
ボタンの位置など、ほぼ同じ。
Oasisは防水機能(IPX8)にも対応しているので、お風呂での読書も可能です。
画面を反転出来るので、左利きの方も快適にボタンでページめくり出来る
Oasisで疑問の1つが、ボタンが右側にある事。
「右利きの人しか使えないんじゃない?」と思った方も多いはず。
その心配は無用。
KindleOasisは他のKindle端末と違い、上下反転させると、画面も切り替わります。
ボタン側の方を左手で持っても、普通に読めるので、左利きの方も快適な読書が可能です。
物理ボタンの優位性を最大限に活かされていますね。
文字の見やすさ比較(画質)
新型「Kindle」の解像度は300ppi。
この点は旧モデルから変更していません。
1インチあたりのピクセル数を表す(画素密度)。pixels per inchの略。値が大きいほど、より高精細な画質となる。
旧KindleOasisとの比較
当然ですが、文字の見やすさは変わりません。
Paperwhiteとの比較
Oasisの解像度はPaperwhiteと同じ。
文字の鮮明度に違いはありません。
どちらも文字がクッキリとしていて、見やすいです。
マンガの比較(見やすさ)
漫画でも画質比較してみました。
Paperwhiteとの比較
先ほど述べた通り、Paperwhiteよりサイズが大きいので、見やすさはOasisの方が上です。
色が若干Oasisの方が薄く見えるのは、写真撮影の時に左から光が入ってしまった影響で、色の濃さは同じです(申し訳ありません)。
タブレット(「Fire HD 8」)と比較してみた
8インチタブレットの「Fire HD 8」でも比較してみました。
マンガ
※ どちらも明るさ10で設定
ページサイズの大きさで見ると、「Fire HD 8」に軍配が上がります。
ピンチアウト(二本の指で広げるようにする操作)やピンチイン(二本の指で狭める操作)がスムーズに出来るのも強いです。
Oasisもピンチアウト(イン)に対応しているのですが、反応速度が使い物にならないくらい遅いです。ビックリするほど遅いです。
次に画面の色合いについて。
タブレットは青みが強いですね。
一方、Oasisは紙の本に近い落ち着いた色合いに仕上がっています。
ここは好き嫌いが分かれそう。
雑誌
カラーに対応しているタブレットの方が格段に読みやすいです。
また、マンガの際にも述べましたが、ピンチアウトで細かな字をスムーズに拡大出来る点もタブレットの良い所。
一方で、Oasisは白黒ですし、指で拡大や縮小する操作が使い物にならないレベルなので、雑誌を読むには不向きです。
直射日光の下でも、ライトが必要な場所でも、目に優しいOasis
日の当たるような明るい場所で、どちらも明るさ「0」に設定して、比較してみました。
日の当たる場所なら、Oasisはライトを付けなくても普通に読めます。
タブレットはライト無しだと、全く読めず。
画面真っ暗ですが、別に電源を切ってるわけじゃありません。
また、Kindle端末は、バックライトを採用するタブレットと違い、フロントライトを採用しているので、ライトを付けていても目に優しい構造に仕上がっています。
目のケアが気になる方は、Kindle端末での読書をオススメします。
バックライト
液晶の背面にライトがあり、背後からスクリーンを照らす方式。見てる人の目に向かって直接光を照射することになり、目のダメージがフロントライトより大きい。
フロントライト
スクリーン下部(Kindleの場合)にライトがあり、画面の表面を通してディスプレイ全体を照らす方式。光を直接目に照らさないので、バックライトより目に優しい。
新機能「色調調節ライト」で、色合いを自由に調節できる
Kindle端末では、初となる「色調調節ライト」を搭載。
画面の色合いをホワイトから、温かみのあるアンバーに変える事が出来ます。
暖かさの調節は24段階と細かな設定に対応。
明るさも同じ24段階で調節可能なので、自分の好きな色合いや明るさに設定出来ます。
暖かさ「0」の場合
暖かさ「10」の場合
Amazon公式サイトの商品ページはこちら
自分に合ったカスタマイズが可能(Kindle共通)
カスタマイズできるのは色合いや明るさだけじゃありません。
Kindle端末は「文字の大きさ」や「フォント」などの調節が可能なので、自分の好きなスタイルで読書が楽しめます。
太字
ゴシック
上下の余白
行間を狭くする
ダウンロードスピードの実測調査
読書をするには購入した本やKindleUnlimitedで借りた本を1度ダウンロードしなくてはいけません。
ではダウンロードにどのくらいの時間を要するのでしょうか?ダウンロード時間を計測してみました。
Paperwhiteより速いダウンロードスピード
一般的な書籍だと10秒~20秒前後、マンガは30秒前後でダウンロードが完了しました(WiFi環境によってスピードは異なる)。
基本的にPaperwhiteよりも、ダウンロード時間が短く済みます。
一般書籍はそこまで大きな差はありませんでしたが、漫画はかなりの差が付きました。
「あひるの空」に至っては30秒以上も差が開く結果に。
WiFiの環境下によっては、更に差が開く可能性もあります。
【調査】バッテリーの持続時間
1度の充電で十分に長持ちする点もKindleの特徴です。
Oasisは明るさ13、ワイヤレス接続オフで1日30分利用した場合、フル充電で最大6週間利用できると公式サイトにありますが、実際はどうなのでしょうか?
以下の条件設定で、1日のバッテリー消費量を調べてみました。
・WiFiをオンにしておく
・明るさは「10」で設定
・1時間読書する
普通に使えば1週間程度は持つ
1時間の使用で10%程度の消費量でした。
1日1時間で、15%の消費なので、大体1週間持つか持たないかぐらいの計算になります。
公式サイトの条件で6週間持つのかはちょっと疑問。
ただ、スマートフォンやタブレットよりは圧倒的に電池の持ちは良いので、いちいち充電する手間を省きたい方には十分オススメ出来るといえます。
【ストレージ容量比較】 32GBなら一般書籍が数千冊保存可能
「Kindle Oasis」のストレージ容量は、「8GB」と「32GB」の2種類から選択可能です。
ここで気を付けるべきポイントが1つ。
実は8GBモデルだからといって、8GB分保存出来るわけではありません。
実際に保存出来る容量は約「6GB」程度(Paperwhite8GBモデルが6GB)。
今回8GBモデルを購入しましたが、実際の可能領域は「5.88GB」となっていました。
「ホーム画面」→「設定」→「すべての設定」→「端末オプション」→「端末情報」
32GBモデルならマンガが約500冊、小説はなんと約7万冊保存出来る計算
8GBモデルの保存可能領域を「6GB」、32GBモデルは「27GB(Paperwhiteが27GBだった)」とし、何冊保存出来るのか計算してみました。
ベストセラー本「嫌われる勇気」で見ると、8GBモデルは655冊、32GBモデルは約3000冊程度保存出来る計算です。
小説に至っては、8GBモデルでも1万を超えるタイトルが保存可能。
ファイルサイズの大きなマンガの場合、保存出来る数は数百冊と、一般書籍や小説より少なくなります。
マンガ目的で買うなら、32GBモデル一択ですね。
「microSDカード」が使えるfireタブレットも、選択肢の1つとして検討しても良いでしょう。
「Kindle Oasis」の端末価格
全ラインナップの端末価格は以下の通りです。「WiFi+4G」以外は全て「広告つき」の価格となっています。
Wi-Fiモデル | WiFi+4G | |
---|---|---|
Kindle 8GB | 8980円 | ― |
Kindle Paperwhite 8GB | 1万3980円 | ― |
Kindle Paperwhite 32GB | 1万5980円 | 2万2980円※ |
Kindle Oasis 8GB | 2万9979円 | ― |
Kindle Oasis 32GB | 3万2980円 | 4万980円※ |
※ 「WiFi+4Gモデル」は、「広告つき」が選択できません
最安でも3万円近くになるOasis
「Kindle Oasis」の通常価格は最安で約3万円。
他のKindle端末に比べると、かなり高いですね。
「無料の4G通信」を備えたモデルになると、4万円を超えます。
読書の快適性などスペックを考えると、この高さは仕方ないのかなと思います。
本好きの方で思う存分快適な読書を楽しみたいなら、この高さでも支払う価値は十分にあります。
一方で、ライトに読書を楽しみたい方やコスパにこだわる方なら、「Kindle Paperwhite」をオススメします。
「広告つき」にすると、Kindleのホーム画面の下部に広告(Kindleのセール情報など)が表示されます。また、電源ボタンを押してから画面を一度スワイプしないと開けない仕組みになっています。
基本スペックの比較
Kindle製品のスペックを比較してみましょう。
Oasisが他の製品より優れている点を赤枠で囲ってみました。
※1 Wi-Fiをオフ、ライトの明るさ「13」で1日30分間使用の場合
※2 Wi-Fiをオフ、ライトの明るさ「10」で1日30分間使用の場合
カラーバリエーション
色はブラック1種類のみ。
ブラックといっても、背面はシルバーです。
保証制度について
購入すると、1年間の限定保証が付いています。通常の使用状況において発生した材料および製造技術上の瑕疵に基づく損害について補償してくれます。
1年間のみの保証だと心配という方は、オプションで延長保証がありますので、そちらも合わせて選択しましょう。保証期間は2年間(5480円)と3年間(6980円)のどちらかを選べます。商品の落下や水漏れ等による故障も保証対象となっているので、何かと安心です。
ユーザーの評価
2021年1月現在、Amazonのカスタマーレビューは5つ星のうち星4.2の評価を受けています。
なんと82%もの方が星4つ以上の評価を付けています。
この点から見ても、ユーザーの評価も非常に高い事が分かります。